まず、被験者（マジックを最初見せていたので客と表現すべきか？）。

事前に別の術者が数回トランス状態にしていたのもあって、少し変わった入り方をする人でした。

（トランス状態を繰り返したり、トランス状態のまま長くいると被暗示性が高まる）

元々ルーク・ジャーメイ風のペンデュラム(振り子)を使ったメンタルマジックをやっていて、観察していたら軽いトランス状態に入ることに気がついたのです。

なんとなく行けそうな気がしたので、少し変則的な流れですが、普段やらない催眠術を試してみました。

（観念運動を利用する現象はよくやりますので、分かりやすい催眠術をやらないという意味です）

流れとしては、ペンデュラムが手から離れない暗示、持っている手から力が抜けてペンデュラムが下がっていく暗示、最後に瞼が閉じる暗示を順に入れていきました。

次に少し時間を開けて、ホーンテッドドール（手のひらに置いた人形が少しずつ起き上がるというマジック）をやって、そこから擬似感覚、例えば人形の腕を撫でれば、見ている人も腕を撫でられたように感じる現象を起こそうとしました。

（被暗示性が高そうな人にちょいちょいやる手順です）

ところがですよ…人形の頭を撫でていたら、何故か瞼が閉じて開かなくなるという現象が起こったのです。

ここで一つの仮説が生まれました、この人はなんとなく催眠術っぽいマジカルジェスチャーであれば何でも導入できるのではないのだろうか？というモノです。

ということで、試したのは、クリス・エンジェルがたまにやっている指の動きでした。

文字で表現するのであれば、コインを使わないコインロールみたいな手の動きです（分かるかな？）

手に意識を向けさせて、そのマジカルジェスチャーをやってみた所、やはり瞼が閉じるという現象が起きました。

予想が正しかったのか、その日は、手持ち無沙汰でペンデュラムをなんとなく揺らしていたら、後ろから見ていたその被験者の目が閉じてしまったというハプニングがありましたし（後ろから目が開かないと言われて初めて掛かっていることに気が付きました）、その後も目の前で人形の頭を無言で撫でるだけで催眠状態に入り、さらに指をウネウネ動かしているだけでも催眠状態になるという…

完全に動作や小道具と瞼が閉じるという現象がセットで刷り込まれている様でした。

次別の機会で他の人に催眠術をやることがあれば、まだ試していない仮設を幾つかやってみたいと思います。

よく勘違いされるのですが、私は滅多に催眠術をしません。

観念運動を使うような現象をするので催眠術をするイメージが付いたのかもしれませんが、どちらかと言うとマジックをする人なのです。

フォースを利用したマジック（或いはメンタリズム）やリーディングを好んでやる人なのです。

サイコロジカルフォースも結構暗示を利用する場合もありますし、それも暗示を使う＝催眠術をするというイメージの形成に拍車を掛けているのかもしれません…

催眠術との違いがあるとすれば、トランス状態になるかならないかくらいですかね？

ちなみに、何故催眠術をあまりやらないかと言いますと、経験の絶対値が少ないのもありますし、そもそも面白い手順が思い浮かばないからです。

それと、あの催眠術独特な喋り方が個人的に気に食わないというのもあります（笑）

ただ、喋り方に関しては、実は結構改善の余地があるのでは無いかとも思っています。

今回に関しては、普通の話し方で導入をしましたし、何気なく「その手は離れないよ？」と言って硬直させることも出来たので、相手の意識が納得するのであればどんな方法でも良いのではないかと考えています。

今回の件で、今まで疑問に思っていたことが自分の中である程度解消されたので、もしかしたら今後催眠術をやる機会が増えるかもしれません(ﾟ∀ﾟ)

写真は最近自作したペンデュラム（振り子）ですが、早速紛失して軽く凹んでいます（笑）

先日は代わりに指輪にチェーンを通したものでやりましたが、挙動が悪かったのでまた近いうちに作ります...

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